リハビリテーション分野の中でも、小児のリハビリテーションは非常に難しいとされています。 一人一人のお子さんの個性や能力は同じではなく、お子さんや御家族が抱えている問題も同じではありません。 当然ながら、社会的な環境や生活している環境の違いも大きな要因になります。 お子さん一人一人の発達をより良い方向へ導いていくためには、画一化された訓練やマニュアル通りの訓練では難しいのです。小児のリハビリテーションに求められるものは、知識と技術、そして人間性なのです。 その事にお応えする為には専門のスタッフが必要不可欠です。 |
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作業療法では、「楽しく遊べない」「身の回りのことが上手にできない」など、生活の中でお子さんやご家族が抱えている問題に対して、「どうしたらできるか?」「がんばりすぎずにできる方法はないか?」を特性をふまえて検討します。 実践的に遊びや動作そのものを行ってみることや、動き自体の練習や理解の援助、玩具や姿勢の工夫、周囲の環境の調整など、様々な視点からその方とご家族が楽しく過ごすことを目標にアプローチしています。 |
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入園児・者さんには、食事などの日常生活に直接関わりながら、少しでも自分でできる方法を探して練習を行ったり、その方が楽しめる物を感覚面・運動面から評価・検討したりして、より笑顔を引き出せるように関わっています。 外来では、脳性麻痺・自閉症スペクトラム・発達障害と多岐に渡り、一人一人に合わせて玩具や遊具を用いてアプローチしています。 |
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OT室にはブランコやロッククライミングなどもあり、感覚面に敏感なお子さんは刺激を徐々に受け入れられるように、感覚刺激が楽しいお子さんはそれを利用してやりとりの練習やバランスの獲得につなげていけるようにしています。 日常生活動作の食事・更衣・排泄などに関しても動作の練習や実践練習を行っています。 また、ご家族からお話を伺い、実際の自宅での様子や悩みなど、問題を共有して、解決につなげていきたいと考えています。 |
言語聴覚療法部門ではことばやコミュニケーションおよび摂食・嚥下(食べること・飲み込むこと)に困難を抱いているお子さんへの支援を行います。
ことばやコミュニケーションの支援については、「ことばが話せない」・「発音が不明瞭で上手く伝わらない」・「上手くことばを使えない」などのご相談に対して評価を行い、ことばやコミュニケーションの発達を促しながら、「楽しく」・「より豊かな」コミュニケーションの実現を目指していきます。
食べることの支援については、お口の中に食べ物が入ることに慣れていくことや食事形態・食具・食べる為の姿勢の検討などを行い「安全に」食事が出来ることを保障し、口腔機能面の発達を促していくことで「より豊かな」食事が可能となるように支援していきます。
平成7年から常勤音楽療法士が配置され、平成9年からは 楽器の音色や歌・リズム等に対する反応や好みを観察し、個人・場面に応じた音や音楽を使いながら、お子さんの動きや発声・笑顔を引き出し、様々なコミュニケーションを促しています。 |
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『音を聴きたい!』『楽器に触りたい!』『一緒にやりたい!!』といった気持ちや意欲を大切にし、音楽を通して人と関わる楽しさを感じていただけるように取り組んでいます。 また、PT・OT・STの治療場面に音楽療法士が介入し、楽器や音楽を取り入れて共同セッションを行う等、それぞれの治療の相乗効果を目指した取り組みも行っています。 |
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